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お家建て太郎さんの物語

お家を建てたい桃太郎さん。
夫婦とお子さん二人、
あわせて四人のご家族です。
サルが話を聞いてみると、
薪ストーブがあるお家を夢見ていました。
驚いたことに、
もう薪はたっぷり集めているとのこと。
大量の薪は、まるで富士の山のようでした。
「よーし、薪ストーブが似合う
素敵なお家をつくろう」
集めに集めた、薪の山
まずは、土地探しから。
不動産屋さんめぐりもお供します。
ストーブの煙がご近所の迷惑にならないような
広い土地を見つけましょう。
理想の地を探し求めて、
流れし時は、一年以上。
広い畑が見つかり、地主さまに直談判。
土地を譲っていただけることになりました。
探し求めし、理想の地


時は、流行り病の頃。
密を避けながらも、
綿密な打ち合わせを重ねたい。
それならば、気分を変えて
公園での打ち合わせもいいのでは。
大人たちは会話に熱中し
子どもたちは遊びに夢中。
キジが魂を込めた図案が完成し、
いいお家ができそうです。
憩いの園で、打ち合わせの時。
風の日も雪の日も、
職人のイヌたちは全力で家づくり。
すみずみまで丁寧に。
決して手は抜きません。
そして迎えた、お引き渡しの日。
下のお子さんから、手紙のプレゼントのお返し。
予想もしていなかった嬉しいサプライズに、
お供たちの目には輝くものが。
不意の文に、思わずほろり



薪ストーブの火入れ式にも
招いていただいたお供たち。
ゆらゆらと揺れる炎を見つめがら、
桃太郎さんは小さな声でつぶやきました。
「ストーブが欲しかったんじゃない。
みんながいるこの場所が欲しかったんだ」
誰に聞かせるでもないその言葉を耳にして、
明日からまたがんばろうと心に誓う
サル・キジ・イヌなのでした。

想いあふるる、小さきつぶやき
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